十一年前、剃髪(ていはつ)して京都の東本願寺で僧としても一歩を踏み出した。

「祖父母の代までぼくの家は真宗の寺だったんです。

父が寺を嫌(きら)って出てしまったんです。
でも、家には大きな仏壇(ぶつだん)があって、目が覚(さ)めると母が大きな声でお勤(つと)めしていたんですね。
そんなことで仏教が体にしみとおっていたのでしょう。
坊さんになることが自然だったという感じです。
深い縁を感じます。
小さな庵をむすんで、いろんな人の相談にのってみたいと、そんなことを思っているんです」