夏目漱石

nippon53742005-08-29


こころ前編 (デカ文字文庫)

こころ前編 (デカ文字文庫)

ザ・漱石 現代表記版

ザ・漱石 現代表記版

二百十日・野分 (新潮文庫)

二百十日・野分 (新潮文庫)

吾輩は猫である (角川文庫)

吾輩は猫である (角川文庫)

門 (新潮文庫)

門 (新潮文庫)

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

文鳥・夢十夜 (新潮文庫)

硝子戸の中 (新潮文庫)

硝子戸の中 (新潮文庫)

 ● 作家概要

夏目漱石は、1864年江戸牛込馬場下場町に名主の父、小兵衛直克とはは千枝の末子として生まれた。
本名は金之助で、生後まもなく里子に出され、2歳の時、塩原家の養子となるが、養父母の不仲のために9歳の時実家に戻る。
夏目の性に戻ったのは21歳の時。
大学卒業後、明治28年松山中学の教師として四国松山に赴任する。
ここが後の「坊ちゃん」の舞台となる。
明治33年から36年まで文部省の留学生として英国に渡り、その後は帝大英文科の講義に力を注ぐ。

明治40年東京朝日新聞社からの招きを受け、教官の職を捨て新聞小説虞美人草」を書いて大きな評判を受け、初期の3部作と言われる「三四朗」「それから」「門」を書き上げた。その「門」を書き上げた明治43年の夏、胃潰瘍となり、静養のために訪れた伊豆の修善寺温泉で血を吐き、意識不明に陥った。
懸命の看護によって一命は取り止めるが、生死を超える体験によって、漱石の人生観は揺れていく。
「こころ」で明治とともに生まれ育った「先生」を人間の罪と重ねて葬った漱石は、己の過去を暴いて克服するかのように「道草」を書き上げる。
その後、胃潰瘍悪化のため「明暗」は未完のまま大正5年12月9日、世を去った。

 ● 熊本での漱石

文豪夏目漱石は、明治29年、29才の時に、熊本の旧制第五高等学校(現在の熊本大学)の英語教師として赴任し、英国留学までの4年3カ月を熊本で過ごしました。
漱石が最初に熊本に降り立ったのは「池田停車場」(現在のJR上熊本駅)。
漱石は、この駅から人力車に乗って五高に向かう途中、熊本市内を見晴らすことのできる京町の新坂にさしかかった時、「ああ、熊本は森の都だなあ」とつぶやいたそうです。
このことから、熊本市は「森の都」と呼ばれるようになりました。
このほか漱石作品の「山路を登りながら、こう考えた。智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ」という書き出しで知られる小説『草枕』や、登山をして道に迷う2人の会話が楽しい『二百十日』は、熊本時代のエピソードをもとに著されています。
このように、漱石文学の礎となったゆかりの地が、熊本には多く点在しています。

 ● 作品概略


  <<吾輩は猫である
生まれて間もなく捨てられた猫は、苦沙弥先生の家に住み込む。
人間は不徳なものだと車屋の黒から教えられた猫である吾輩は、人間を観察する。
主人の門下生の寒月、美学者の迷亭、詩人の東風などが来ては、太平楽を並べて語り、いろいろの人間模様が織りなされる長編小説である。
漱石の処女作。


  <<坊ちゃん>
単純、率直で江戸っ子の坊ちゃんは、四国松山の中学の数学教師になる。
坊ちゃんの奔放な言動は生徒や教師たちの間に事件を巻き起こす。
周囲の愚劣、無気力、悪知恵に反発し、先輩教師とともに、教頭に鉄拳制裁を加え、教職を投げうって東京に帰るという反俗精神にみちた名作。


  <<それから>
高等遊民である長井代助は、かつての恋人三千代を義挟心から友人平岡に譲ったが、その後も彼女への愛は深まっていく。
平岡夫妻は大阪で失敗して、3年を経て帰京し、今は夫妻の間には亀裂さへ生じている。
改めて彼女への愛を自覚した代助は、彼女に告白し、彼女も泣いてそれを受け入れる。
世間の道徳的批判を超えた個人主義的正義に主題をおいた恋愛小説で当時の知識人への典型を書いた作品。


  <<こころ>
大学を卒業した私のもとに先生から遺書が届く。
先生は学生時代、未亡人と美しいお嬢さんのいる下宿で生活しており、そこに困窮していた親友kを同居させる。
Kからお嬢さんへの恋を打ち明けられるが、先生はKを出し抜いて、奥さんからお嬢さんとの結婚の許しを得る。
それを知ってKは自殺してしまう。
結婚した先生は罪の意識に苦しみ、Kの心を深く理解して自殺を決意するという中編小説である。


  <<三四郎
大学にはいるために上京した小川三四郎にとって、すべてが驚きであった。
彼の周りに先輩野々宮、友人佐々木、広田先生、里見美禰子が現われ、三四郎は美禰子に心を奪われていく。
しかし彼女に女性の謎を感じさせられ、結局普通の結婚をするという新しい女性像と社会批判を描いた現実的な小説である。


  <<明暗>
晩年には事故の困難を乗り越え、それにうちかち、天に則ることに求めようとする人生態度「則天去私」、人間のエゴイズムをえぐり出しその克服を「則天去私」に求め、多くの可能性をもちながら作者の死によって未完に終わった。
会社員津田由雄と結婚半年のその妻お延を中心に人間のうぬぼれ、見栄などが渦巻いている様子を描く長編小説。

 ● オンライン書店「BK-1」・・・・夏目漱石

http://www.bk1.co.jp/author.asp?authorid=110000737940000


 (注)一連の写真での紹介は、「はまぞう」「BK-1」を試しているのであって、、、
    けっして、「アフィリエイト」ではありません! 念のため!