奈良薬師寺 薬師三尊像


奈良薬師寺 薬師三尊像
光背はずし、背中あらわに 

 日本の仏教彫刻の最高傑作の一つ、奈良・薬師寺の薬師三尊像(8世紀初めごろ、国宝)から、仏の後光を表す舟形光背(こうはい)(17世紀)が取り外された。
安置されている金堂の落慶(76年)以来31年ぶり。
普段は光背に隠れている3像の背中があらわになり、丸みを帯びた優雅な姿を見ることができる。

 堂内の彩色修理や来春に東京である展覧会の準備のため、今月中旬から取り外しを進めていた。
本尊の薬師如来坐像(ざぞう)(高さ2.55メートル)を挟む、左の日光菩薩(ぼさつ)立像(同3.17メートル)と右の月光菩薩立像(同3.15メートル)は、肩にかかる天衣(てんね)や腰につけた裳(も)の流れるような線が美しい。肩や背中は意外な量感にあふれている。

 日光・月光両像は来春、展覧会のため初めて寺を離れる。
三尊が光背とともに元の姿を取り戻すのは来夏ごろという。
<解説:引用>