フェルメール


フェルメール
「デルフトの眺望」

 噂には聞いていたが、見事な風景画。
マルセル・プルーストがこの絵は世界で一番の風景画と言ったというが、全く同感。
西洋画のなかで好きな風景画といえばこれまではモネの作品だったが、このデルフトの眺望はモネよりいいかもしれない。

 光の表現がとにかく凄い。
真ん中、中景の建物の屋根のレンガは明るく輝いている。
空の青には高価なウルトラマリンブルーが使われている。
画面の大半を占める空に大きく広がった白い雲が印象的。
川に面してたつ建物のレンガ色、茶褐色が実にここちよい。
また、川に浮かぶ船は点描にように描かれ、光っている。

 印象派の絵を先取りしてる感じ。
構図も巧み。
手前に砂浜を描き、奥行き感をだしている。
何か話をしている女性、船に乗り込もうとしてる人たちに目がいき、質感が素晴らしい建物、明るい空に心うたれる。

 フェルメールは他のオランダの画家には思いもつかなかったこんな風景画を20代の終わりに描いた。
感動200%の傑作。
<解説:引用>