酸っぱくなーれ

nippon53742006-03-19


 鹿児島県霧島市福山町の坂元醸造で、黒酢の春の仕込みが始まった。ずらりと並んだ54リットル入りの陶製のつぼに、職人たちが、米こうじ、蒸し米、地下水を手際よく入れていく。

 同社では約200年前から屋外での醸造を行っている。1年以上熟成させ、琥珀(こはく)色に仕上がった黒酢は、血圧を下げる健康補助食品として人気があり、需要が増え続けている。

 発酵に適した温度が保たれる春と秋が仕込みの時期で、桜島を望む日当たりの良い「つぼ畑」に並んだつぼからは、発酵の始まりを知らせる甘酸っぱい香りが漂っている。約2万2000個のつぼの仕込み作業は6月末まで行われる。