ロシア正教会本山の鐘


ロシア正教会本山の鐘
米国から76年ぶりに返還へ

 ロシア正教会の本山、モスクワのダニーロ修道院からソ連の反宗教政策のあおりで米国に渡り、1931年からハーバード大学の鐘楼で鳴り続けてきた18個の鐘が、9月から1年がかりで返還される。
その代わりに同大学へ贈る18個の鐘の清め式が24日、同修道院で開かれた。

 式では、アレクシー2世総主教が、モスクワ南方のボロネジ州の工房でできた複製品の鐘をつき、「聖物の帰還は喜ばしい。複製品の音も本物に劣らない」と話した。

 ソ連政府は30年に同修道院を閉鎖。古いものは17世紀の日付があり、大きなもので13トンあるこれらの鐘は、くず青銅の値段で米国の実業家が買って同大学に寄贈した。
83年に修道院が再開されると、すぐに鐘の返還を米国側に要請。
今年3月に精巧な複製品を渡す条件で返還が決まった。