ルグラン嬢 ルノワール

ルグラン嬢 ルノワール
  1875年 
  ルノワール
  Mlle. Legrand.

美少女を描かせたら、やはりルノワールですね (=^-^=)ノ
Philadelphia Museum of Art, Philadelphia, PA. USA. 蔵 
81.3cm×59.1cm

ちょっと緊張気味に手を組み、視線をそらせるようにポーズを取る少女。
その清楚さを引き立てているのが、真っ白いブラウスと黒いエプロンドレスという装いですね。
白と黒のコントラストを基調に、ブルーのリボンと控えめな金のアクセサリーが効果的です。
それに加えて、楚々とした風情と恥ずかしげなこの8歳の少女の表情、そして香り立つ気品。

ルノワールの少女の肖像画が素晴らしいのは、少女の姿をただ人形のように可愛らしく描くのではなく、そこに気品と知性を備えた、かけがえのない個性を表現しようとし、それに成功しているからではないでしょうか。

この絵のモデルは長い間、画商のアルフレッド・ルグランの子供だと考えられてきましたが、実は別人でした。
彼女の名は、マリー・アデルフィーヌ・ルグラン と言い、販売員の父と麦藁帽子を作っていた母のあいだに、1867年に生まれた子供です。
決して子供の肖像画を画家に注文できるほど裕福な家庭ではなかったようですが、
ルノワールがこの絵を描いたいきさつは、定かではありません。
ただ、ルノワールが貧しい駆け出しの頃、一時バジールのアトリエに住まわせてもらっていたことがありましたが、そのアトリエと同じ通りに、独身時代の母親が住んでいたこともあり、その頃の知り合いではないかと推察されます。

マリー・アデルフィーヌは25歳で詩人と結婚しましたが、夫と死別。
その後再婚して、79歳まで生きたと伝えられています。
<解説:引用>