ゲド戦記

nippon53742006-08-18


ゲド戦記

 『ゲド戦記』(清水真砂子訳・岩波書店刊)は、『指輪物語』『ナルニア国物語』とならび称されるファンタジー文学の傑作。
米国の女性作家アーシュラ・K.ル=グウィンの描くこの物語は、1968年から2001年にかけて6巻が出版され、今では世界19カ国で翻訳出版されています。
日本でも76年に第1巻『影との戦い』が出版され、現在シリーズの合計部数は100万部を超えます。

 西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の世界に現れた。
そして、それと呼応するかのように、各地で作物が枯れ、家畜が倒れていく。
世界の均衡が崩れつつあった。

 災いの源を探るゲドは、旅の途中、国を捨てた王子アレンに出会う。
心に闇を持つ少年は、得体の知れない“影”に追われていた。
二人は、都城ホート・タウンにたどり着く。
そこでは、人身売買が行われ、麻薬が蔓延し、売っている物はまがい物ばかり。
表面的には陽気で騒々しかったが、行き交う顔からは実在感が失われていた。

 街をさまようアレンは、謎の少女テルーを人狩りの手から救い出すが、彼女は少年を拒絶する・・・・