漱石 書簡

nippon53742006-07-21


 未公表書簡 漱石、龍之介ら文豪の700点発見

 夏目漱石芥川龍之介ら文豪の未公表書簡が見つかった。
自然主義文学の巨匠、徳田秋声にあてたもの。
今月完結する「徳田秋聲全集」(八木書店)編集の過程で発見され、うち57点が20日刊行の別巻に収録される。
近代文学史の舞台裏がうかがえる貴重な資料だ。

 書簡は東京都文京区本郷の旧秋声宅に約700点あった。
明治から昭和にかけて文壇に君臨した秋声らしく、多彩な人脈や出来事を反映している。

 漱石書簡は1915年9月8日付。
東京朝日新聞文芸欄に連載小説「奔流」を準備中の秋声に対し、同欄の編集責任者の漱石は「小生の小説完結迄(まで)に三十回渡しさへすれば先方にても苦情なかる間敷(まじき)事と愚考致し候」と念押しするなど、やきもきする様子が伝わる。