● 作家概略


昭和9年8月25日 京都市生まれ
昭和32年 京都府立大学文学部 国文科卒業
昭和32年〜39年 京都府立伏見中学の教師として教壇に立つ
昭和42年ごろから創作活動を始め、テレビドラマ「特別 機動捜査隊」の脚本を担当していたこともある。
昭和45年 「京城の死」(後に「愛の海峡殺人事件」と改題)で江戸川乱歩賞候補に。
昭和46年 「死体はクーラーが好き」が小説サンデー毎日新人賞候補となる
昭和49年 「マラッカの海に消えた」で本格デビュー
昭和58年 「消えた相続人」で第3回日本文芸大賞を受賞
平成4年 第10回京都府文化賞功労賞 京都府あけぼの賞 を受賞
平成8年9月5 心不全のため急逝 62歳


山村美紗氏は、京都を舞台にした作品で若い女性から圧倒的指示を受けた。
また「トリックの女王」「日本のアガサクリスティ」と呼ばれ、ドラマ化された作品も多い。
ベストセラーには「花の棺」「百人一首殺人事件」「鳥獣の寺」などがある。


京都市内にある自宅は作家・西村京太郎氏と共同で旅館を購入、
本館に山村氏、別館に西村氏が住んでいた。


山村氏と西村氏との出会いは、西村氏がまだ駆け出しのころ山村氏がファンレターを出したのがきっかけであった。
そのファンレターには『夏休みは旅行に行きました』と書いてあったので、
西村氏はてっきり独身と思い込いこみ、京都まで山村氏に会いに行ってしまったというエピソードが残っている。


また、西村氏は山村氏が結婚しているとは知らず、プロポーズしたことがあるという。
周囲では、西村氏との不思議な関係が噂になっていたが、山村氏は「親友よ」と言っていたという。


西村氏が脳血栓で倒れたときには、山村氏の娘さんによって発見され一命を取り留めている。
このことからも両氏の家族ぐるみのつきあいがうかがい知れる。


山村氏は才能豊かであり、日本舞踊の花柳流の名取であった。
華道にも堪能で池坊の準家督の資格も持っていた。車の免許を約2週間で取得し、
昭和37年にはA級ライセンスの資格をも取得している。